以前のこの微笑ましい光景から…
ラッキーが他界し…
これはその後のお話です。
ラッキーの死後、突如現れた生命体
ラッキーが他界して数日後、親父から連絡がありました。
どういうことだろう。
タイミングからしてラッキーの生まれ変わりみたいじゃないか。
しかも子猫だって?
ミーちゃんやマー君が来ただけでも嬉しかったのに、さらに子猫かぁ。
うぬぬぬ、さぞやカワイイんだろうなぁ。ウズウズ…
アバ、いま会いに行きます!
いつものように地元の駅で親父の車に拾ってもらい、そのまま実家へ向かいます。
なるほどね。
じゃあその大変な育児とやら、この僕が買って出ようではないか。
ミーちゃんは気晴らしにどっか行ってていいからね。
到着は夜9時を過ぎていたので、その日は我慢して寝ます。翌朝が待ち切れません。
猫×赤ちゃん=最強
起床と同時にあのカメラを首から下げ、2階から階段を駆け降ります。
縁側手前で一旦止まり、驚かさないように、そーっと、そーっと…
今9時。昨日なかなか寝れなかったんだよね。
なるほど。ミーちゃんもしっかり老人の生活サイクルに合わせてるわけだ。やるな!
ガッカリしながら親父が作ってくれた朝食を食べます。
その間も縁側の方が気になって仕方ありません。
そういえばよくラッキーと一緒にミーちゃんもちくわ食べてたっけな。
でもミーちゃんの分もほとんどラッキーが食べてたっけ…(笑
朝食を終えて縁側に向かうと、既にミーちゃんがいました。
相変わらず僕に警戒している。すごく切ない…
周りを見渡しても、子猫の姿はない。
ミーちゃんにちくわをあげながらも、ミーちゃんの鳴き声を真似し、子猫を呼びます。
そんな僕を見るミーちゃんの蔑むような目つきが辛いですが、ここはぐっと我慢です。
子猫は全く現れません。
僕といてもつまらないのか、それとも気まずいのか、ミーちゃんもどこかへ去ってしまいました。
庭の片隅にあるラッキーのお墓参りを済ませ、カメラを首から下げたまま縁側でうなだれる僕。
その時です…
ガタッッ…
縁側横の水場にあるジョウロが動いた音が。
もしや!?
ソオオオオォォォォ…
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
落ち着け、驚かすな、最初の印象が肝心だぞ。
無理に近づかずに、少し離れて両手を広げ、精一杯の笑顔でお出迎えします。
ほらおいで~ こわくないよ~
待って、、、帰らないで、、、
か、かわゆす・・・
もー我慢ならんッッ!
撫でたい!撫でたい!撫でたい!
逃げられるの覚悟で撫でてやる!
まったく逃げない。むしろ喜んでいる。僕は歓迎されている!
か、かわええ、、、
お、お持ち帰りしたい、、、
なんてキャッキャしていると、物陰からわらわらと…
さらにさらに、
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
た、たまらんッス、、、
なんて夢中になって遊んでいると、いつのまにかすぐ近くでミーちゃんが不機嫌そうにガン見してた。
マズいッッ!!
僕が固まっていると、ミーちゃんはにらみをきかせながら僕の前を素通りして子猫の元へ。
ミーちゃんに気付いた子猫たちもミーちゃんの元へ駆け寄り…
そんな光景を微笑ましく眺めながら、ついこの間まであんなにラッキーに甘えていたのになぁ…なんて思い出してしまう。
しかしミーちゃんはどうしてラッキーに子猫を会わせなかったんだろう。
まだ小さすぎて危ないと思ったのか。
もう少し大きくなったら会わせるつもりだったのか。
それともラッキーの体調を知ってて、余計な負担をかけないようにしていたのか。
考えすぎだと思うけど、動物ってそういう勘がすごいっていうから…。
ミーちゃんやマー君、子猫たちに囲まれたラッキーを見てみたかったな。
ミーちゃんと同じように子猫にも背中に乗られて、またこんな困り顔してたんだろうなぁ。
ラッキー、見てる?
ラッキーを慕ってやって来たミーちゃんは、ラッキーの死を悲しむ間もなく、こんなにたくさんの命とにぎやかな幸せを運んで来てくれたよ。
ラッキーがいなくなってもミーちゃんがここに居てくれるのは、きっとラッキーが独り暮らしの親父を支えてたことを知ってたからじゃないかと僕は思ってる。
親父が言ってたんだけど、ラッキーを埋葬したときにミーちゃんはそこにいなかったのに、気付いたらミーちゃんはラッキーのお墓の前に座ってたんだってさ。
ほんと、ラッキーたちは不思議な関係だよね。