HONDAの「VEZEL-RS-」を購入することに決めた我が家。
しかし現時点で既に予算をオーバーしていることは明らかです。
なんとかして予算内に収めなければ・・・。
病院でもセカンドオピニオンがあるように、車も1つのディーラーだけでなく、複数の見積もりを見て少しでも安いところで購入したい。
しかしそんな行動は、時と場合によっては「タブー」になるということを、この時の私は知る由もありませんでした。
あまり知られていない?ホンダカーズの裏事情
ホンダの車を新車で買うなら、大抵はまず身近にある「ホンダカーズ(HONDA Cars)」へ行くと思います。
街中でよく見かけるこんなお店です。
無知な私は、ホンダカーズというからにはこの店はHONDAが経営していて、そんなお店が全国にあるんだろうなぁって思っていました。
ここで言う「HONDA」というのも、本田技研が車を作って、それを売る店がホンダカーズという名前なだけ、という曖昧な感覚で捉えていました。
話かわって、私の親友にはこれまでの人生でたくさんの貸しがあるHONDAの営業マンがいます。
ただしその親友は私の地元に住んでいて、私が今住んでいる県とは異なり、今回車を探す過程で現時点までその親友の世話になることはありませんでした。
なぜなら車を探し始めた当初は、どこのメーカーにも拘っていなかったからです。
でも結果として今回はヴェゼルに辿り着いたので、どうせホンダ車を買うなら(ここぞとばかりにこれまでの恩を着せ)最終的にその親友に頼めばすごく安く買えるだろうと勝手に目論んでいました。
一体何を言っているんだ?HONDAはホンダ、同じホンダカーズでしょ?
仕入れ値もなにもHONDAが経営してるんだから、そんなの全国どこでも一緒でしょうが。
言ってる意味が全く分かりません。
私はただ車を見た流れで見積もってもらっただけで、いろんな店の価格をチェックして一番安い店舗で買うのはショッピングの基本でしょう。
それともホンダカーズ□□で買ってたら、なにかワケありの車でも売りつけられていたというのかね?
それから延々と続いた親友とのやりとりで、私が持っていた認識は大間違いだったと気付きました。
と同時に、私はとても失礼な客になっていたのだなと反省しました。
私と同じような認識の人のためにも、今回の経験をここに記そうと思います。
親友が言ってる意味と私が消化した内容が100%一致しているとは限りませんが、何度も聞き直したから大体合ってるハズです。
ホンダカーズを名乗っていても同じ会社とは限らない
例えば、「ホンダカーズ横浜 横須賀中店」は、「ホンダカーズ」という会社の「横浜」エリアにある「横須賀中店」という意味。
「ホンダカーズ千葉 幕張店」は、「ホンダカーズ」という会社の「千葉」エリアにある「幕張店」という意味。
つまりホンダカーズという会社の別支店というだけで、「横須賀中店」の社員は「幕張店」への転勤もあり得る。
だから親友がいる地元のホンダカーズと、私が今住んでいるところのホンダカーズは同じ会社であって、それぞれの営業所はちょっとしたライバル関係にあるだけ。
これが私の今までの認識でした。
ひと昔前のホンダには「プリモ・クリオ・ベルノ」の3つがあったのを「Honda Cars(ホンダカーズ)」へ統合したのも、顧客にわかりやすい販売網の構築と称して行った改革のひとつ、とのこと。
確かに私たち顧客からすれば、ホンダはホンダであって、「プリモ・クリオ・ベルノ」の区分けなんて複雑なだけで、ホンダカーズの裏事情なんてどうでもいいことなのかもしれない。
同系列は最初が最強!違う系列なら競合もOK
この発言がまだよく分かりません。
もし同じ会社だったとしても、そこはライバル同士の関係なだけで、金額等で競い合うことは当たり前なのでは?
なるほど。そういえばホンダカーズの店舗に行くと「お客様カード」なるものを記入する。
それはシステムに登録され、さらに全店舗で共有されていて、どの店舗の営業が誰に対していくらで見積もりを提示しているかが分かるらしい。
言われてみれば、それが同じ会社内で起きたらちょっと問題かもしれない。
でもこれまでの私のように、客からしたらどれが同じ会社かなんて全く気にしてないだろうし、それはHONDAの内部事情であって、購入する私たちが気にすることではないですよね?
正論!すごく心が痛い!でも待ってくれ友よ。
その言刃(ことば)、私に直撃してますよ?
確かに、RSに惚れたキッカケとなったあの営業マン、私の質問に親切・真剣に答えてくれてました。
しかし、しかしですね、、あの営業マンの見積もりは私の予算をはるかにオーバーしておりまして、、、
そういえば半年ほど前、私の父はこの親友から新車を購入したのでした。
その件がりがあるから、今回は割り込み的な感じになっても穏便に済むかもしれないってことですね。
営業って職業は完全に勝負の世界、仲間内でも客の奪い合いかと思っていましたが、いろいろ大変なんですね。
そちらが問題なくても、こちらは血の通わない利益重視の冷徹な人間だということが発覚してしまいました。
金額だけ見てあの営業マンの努力を考えてなかったわけですし、なんだか自分の人間性にガッカリですね。
ホンダカーズでなくてもホンダの新車は買える
今の私なら、最初の営業マンの見積もりがこの親友と同額なら、最初の営業マンから買うでしょう。
だってこの親友には、今までの人生で貸しはあっても借りなど一切ないのだから。(冷徹)
そういえば今回新車を買おうと思ったとき、私は特に何も考えずにホンダカーズに出向きました。
他に悩んでいたスズキ・トヨタ・マツダ・日産も、ホンダカーズと同じように街中でよく見かけるお店に行きました。
だって各メーカーの新車って、そういったお店でしか買えませんもんね?
なんですって!?ホンダ買うならホンダカーズ一択ではないのか?
もしかしてこいつはポンコツか?
大して値引きの権限もないへっぽこ営業マンなのに、そのくせ口だけは達者で、私の手前
なるほど。この親友がポンコツかどうかは保留として、大きいは大きいなりにそういった会社事情もあるわけですね。
世間ではホンダカーズが目に付きすぎて、私はてっきりホンダの新車はホンダカーズでしか買えないものだと思ってましたが、全然そんなことありませんでした。
でも実際は知り合いでもいないかぎり、そういった個人経営のようなところに飛び込んで新車買おうなんて思いませんよね。
車は買って終わりということはなく、定期的な車検や日々のちょっとした故障やメンテナンスなど、その道のプロにお世話になる場面が多々あります。
ましてや最近の車はハイテク化が進み、ただ診るだけでは事足りず、専用の機材が必要なこともしばしば。
そういう点から考えると、やはり全国どこにでもあって、HONDA車を専門で扱っているホンダカーズは絶対的な安心感があるのも事実。
そこへさっきのような営業心理が働くのだとしたら、単純な安さだけを求めず、むしろ安心を買ったと思ってホンダカーズで買うのがベストかもしれませんね。
新人とベテラン、どちらが値引きしやすい?
ホンダカーズに行って車を見ていると、「いらっしゃいませ~」と近づいてくる営業がいます。
基本この「出会い」が、後々の説明や見積もりなどを担当することになりますが、私はこの何気ない出会いが、実は結構重要なことだと思っています。
私の勝手な先入観として、営業マンの力量や値引きの幅も、新人であればあるほどその裁量は小さく、逆にべテランであるほど値引きの枠も大きく持っている、と思うからです。
だって普通に考えたら、新人が上司に「○○円値引きしていいですか?」なんて言ったら「お前新人のくせにそんなに値引きしてんじゃねーよ」ってなりそうだし、逆にベテランが上司に「○○円値引きしていいですか?」って言っても「ベテランの君に任せるよ」ってなりそうじゃないですか。
その考えを親友に話したら、意外な言葉が返ってきました。
私も含め、人はある事に慣れてくると、程よく「手を抜く」術を身に着けてしまいます。
手を抜くということは決して悪いことじゃなく、仕事の質やその仕事を長く続けるためには必要なことだけど、その手抜きがあからさまに相手に伝わってしまう手抜きもあります。
きっと社会の新人や若手が初々しくて人一倍一生懸命に感じるのは、そういう手抜きをしていないからなんでしょうね。
さいごに
以上、私がホンダで働く親友から聞いたお話しでした。
これがホンダの常識ってわけじゃないだろうけど、この親友は昔からそれなりにデキるヤツなので、全くのデタラメではないと思います。
車って滅多に買うもんじゃないし、それなりに高い買い物なので、どう慎重になっていいか分からないんですよね。
私はとにかく1円でも安く買いたい!という考えから、金額ばかりに目がいって、最初の営業マンの心を無下にしてしまいました。
小さい頃、周りからよく「アバは本当に心が優しい子ね。将来が楽しみだわ。」って言われてましたが、どこをどう間違ったか、気付けば冷徹な人間に仕上がってましたね。
でも義理人情で車を買ってあげられるほど、アバ家のお財布は裕福ではないのです!
しかし今の私はただ冷徹なのではなく、血の涙を流しながらあなたのお見積りを却下している、ということだけはどうか分かって下さい!