2017年9月、日本の石油元売最大手であるJXTGエネルギーは、2019年7月までにENEOS・エッソ・モービル・ゼネラルのサービスステーションを「ENEOSブランド」に統一すると発表。
そうなると、画像のようにエネオスが日本のガソリンスタンドの約半数を占めることになる。
現に僕が住む地域では半径5km圏内のガソリンスタンドには必ずエネオスがある。
しかも数が多いだけじゃなく、他と比べてもガソリンの値段も安いんだよね。
こうなるともうエネオスで給油しない理由が見つからない。
他のガソリンスタンドは今後どうするんだ?
エネオスカード(C/P/S)の違い
総務省の調べによると、世のガソリン購入量の平均は平成24年の時点で43.3L。
それから5年以上も経った今、ハイブリッド車や電気自動車も増え、ガソリン車の燃費も更に向上した。
総務省の最新データがないとはいえ、これよりも購入量が減っているのは確かだろう。
ガソリンスタンドといったらエネオス。
エネオスといったら「エネオスカード」。
エネオスが幅を利かせてるこの時代、エネオスカードを持たずに給油するなんて勿体無い。
そんなエネオスカードには「C・P・S」の3種類がある。
カード名 | ENEOSカード C | ENEOSカード P | ENEOSカード S |
タイプ | キャッシュバック | ポイント還元 | キャッシュバックとポイント還元 |
年会費 | 1350円(税込)※初年度無料 | 1350円(税込)※初年度無料 | 1350円(税込)※初年度無料 ※ただし、年1回以上のカード利用で次年度無料。 |
内容 | 毎月のカード利用金額に応じて変動。 ■ガソリン・軽油 ・7万円以上利用→7円/L引き ・5~7万円未満利用→5円/L引き ・2~5万円未満利用→4円/L引き ・1~2万円未満利用→2円/L引き ・1万円未満利用→1円/L引き ■灯油 ・いつでも1円/L引き | ■ENEOSなら1000円ごとに30ポイント(3%還元) ■ENEOS以外なら1000円ごとに6ポイント(0.6%還元) | ■ガソリン・軽油はいつでも2円/L引き ■灯油はいつでも1円/L引き ■ENEOSでのカーメンテ商品(ガソリン・軽油・灯油以外)は1000円ごとに20ポイント(2%還元) ■ENEOS以外は1000円ごとに6ポイント(0.6%還元) |
注意点 | 値引き単価の適用は、ガソリン・軽油の合算で毎月150Lまで。それを超えたらガソリン・軽油の値引きは一切なし。 | ポイントは、ENEOS、ENEOS以外でそれそれ月間利用合計に対して算出され、1000円未満の端数は切り捨て。ポイントは2年間有効。 | ポイントは、ENEOS、ENEOS以外でそれそれ月間利用合計に対して算出され、1000円未満の端数は切り捨て。ポイントは2年間有効。 |
どのカードも自分のスタイルにハマればすごくお得なカードになり得ることは間違いない。
たがしかし、一歩間違うとお得どころか大損になってしまうのも事実。
でも自分に合ったカードがどれかなんていまいちピンとこないもの。
ということでドケチなアバ目線で徹底的にシミュレーションしてみました。
ENEOSカード C(キャッシュバックタイプ)
このカードの仕組みは、当月のカード利用額によって割引単価を割り出し、翌々月に給油した分に対してその単価を適用する。
いきなりダメ出しすると、
たくさん給油したからといってそれがそのまま安くなるわけじゃない、ってのが。
せっかく安い単価になっても、その月に多く給油しないと意味がないなんて使えなすぎる。
とはいえ毎月コンスタントにたくさん給油するならお得なの?
と思いきや、そこには厄介な縛りがある。
「値引き単価の適用は、ガソリン・軽油の合算で毎月150ℓまで」
簡単に言うと、150L*7円引き=1050円がキャッシュバックの限界ってこと。
そもそも最大値引きにするには毎月7万円以上のカード利用が必要なのに、その恩恵が1050円の値引きだけ。
さらに言うと、例えば楽天カードなら、7万円使えば700ポイントは貰える。
でもこのCカードはガソリン以外の支払いには何のメリットもない。
PカードやSカードだって最低0.6%はポイント還元されるのに、このカードはポイントすら付かない。
毎月の給油量別に、2円~7円引きに到達するための必要な支払いをまとめたのがこれ。
その支払いで他のカードなら本来もらえるであろうポイントをまとめたのがこれ。
これらのポイントを犠牲にするなら、最低でもこの金額以上の儲けがないと割に合わない。
ENEOSカード P(ポイント還元タイプ)
このカードは給油量(リッター)に対してでなく使った金額に応じてポイント還元される。
CやSのカードは1Lに対して○円引きという仕組みなので、この先ガソリン単価がどう変動しようが特に影響はない。
しかしPカードはガソリン単価が上がれば上がるほど威力を発揮することになる。
Pカードはは、エネオスでの給油だけでなくこのカードで支払ったものすべてが対象となるので、通常のショッピングでも光熱費の引き落としに使っても、その利用分はCカードのように無駄にはならない。
ただしその還元率はENEOSでの利用なら驚異の3%だけど、ENEOS以外では0.6%と激減するので注意。
還元額の算出タイミングは月間利用合計に対して計算されるので、一回の会計が1000円未満でも累積で1000円を超えていれば問題なし。
ENEOSカード S(キャッシュバック+ポイント還元)
このカードはCカードとPカードを融合したようなハイブリッドタイプのカード。
エネオスでの給油だと「2円/L引き」というキャッシュバック型になり、エネオスでの給油以外は「1000円ごとに○ポイント」というポイント還元型になる。
ガソリンとして見た場合、Cカードは最大7円引きだけどこのSカードは2円引き固定。
ガソリン以外で見た場合、エネオスでの利用はPカードと比べて3%2%へ。エネオス以外ではPカードと同じく0.6%。
じゃあSカードは他のカードの悪いとこ取りなの?と思いきや・・・
このカード最大の魅力は「実質年会費が無料」という点。
Sカードは年に1回でも使用していれば年会費がタダになる。
つまり他のカードのように、使い方次第では年会費分すら回収できずにマイナスになる、というリスクがこのカードにはないのだ。
数字で見る3つのカードの違い
それでは実際の金額でそれぞれのカードのお得感を見てみよう。
3つのカードを比較するにあたってはリッター単価が重要になってくる。
今日現在のレギュラーガソリン単価は全国的にみて130円~150円くらいなので、高めの150円で比較してみようと思う。
まずは単純にひと月でどれだけお得になるかの試算。
世の給油量平均である40L~50Lを四角で囲ってみた。
これだけ見るとCカードの7円引きが一番お得に見える。
ここに年会費1350円を考慮して、さらに年間で見てみる。
こうすることで年会費を回収できない部分がマイナスで見えてくる。
Cカードはエネオス以外で使っても何の意味もないので大赤字だし、エネオスだとしても1~2円引きでは年会費を回収できずに赤字。
Pカードはエネオスでの還元率が高いとはいえ、エネオス以外で給油ばかりしていては意味がない。
Sカードはさすが年会費がかからないだけあって、どんな使い方をしても赤字になることはない。
全体的にみても、ここでもCカードの上位値引き単価が優勢に見える。
しかし先ほどのこれを忘れてはいけない。
Cカードは値引き単価を獲得するために、本来他のカードならもらえるであろうポイント還元を毎月これだけ犠牲にしている。
その分を差し引いてもう一度比べ直してみると・・・
最終的には、ひと月に40L~50Lの給油量だとSカードが一番お得という結果になりました。
確かにPカードも負けてはいない。
むしろPカードは60Lを超えた辺りから圧倒的にお得になってくる。
しかしそれはあくまでもエネオスだけで給油した場合。
エネオス以外で給油するとそのお得感が激減するのも事実。
エネオスだけで給油できる確信がないのなら、絶対にマイナスが発生しないSカードを選んだ方が賢明だろう。
ちなみに給油量別で一番お得なところを四角で囲ってみた。
これはあくまでもエネオスだけで給油した場合の話なので参考程度までに。
こんな試算をアレコレずっとやっていて思ったことがある。
Cカードは作る価値が無い!
犠牲やリスクに対しての見返りが割に合ってない。
先ほどの本来もらえるであろうポイント還元を犠牲にしてる話。
あれは例えば7円引きなら7万円ぴったりのカード利用をした場合であって、でも実際は7万円ぴったりなんて無理だから、実際はもっと損してるハズ。
ましてやエネオスでの給油以外は完全に無価値なので、危なっかしくてまともに使えたもんじゃない。
リッター単価別お得感まとめ
さいごに
- ひと月の給油量が60L以下なら「エネオスカードS」を。
- ひと月の給油量が60L以上なら「エネオスカードP」もアリかも。
- ただしこの先リッター200円の時代が来たなら、平均の人でも迷わず「エネオスカードP」を。
しかもエネオスカードはETCカードも無料で作ることができる。
エネオスカードとETCカードの支払いは連動しているので、PとSのカードではETC利用額の0.6%が還元対象に。
みんなもこの時代のカーライフをお得に生き抜くために、ぜひエネオスカードは持っておこう!